Chu-Lips



――『五時までここの掃除。終わったら、反省文書いて出してちょうだい。』

「はい…。」

『…全く、手間を掛けさせないで。』


バタンっ


力任せに絞められたドア。

放課後、柚は山中に国語資料室へと呼び出された。

そして言われたのが、ここの掃除と反省文。


カタンっ


おもむろに掃除用具入れから箒(ほうき)を取り出して掃く。


五時までって…あと1時間30分ちかくもあるじゃん…。

やっぱり、佳菜子の言っていたことは本当だった。

去り際に嫌味言われちゃったし…


反省文にしたって、そこまでする必要もないと思うし…。

大変な人に目をつけられてしまったと、がっくり肩を落とす柚。


グチグチ言ってても仕方ないので黙々と掃除をしていた柚のところへ――…


ガラッ

『あ、いた。』

「!!」


瑞季がやってきた…――。




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