Chu-Lips
「これ…5時まで、やんなきゃいけないの…。」
『まじかよ…。』
「反省文も書かなきゃいけなくて…。」
『反省文?はぁ…めんど。』
「ごめんなさい…。」
自分は悪くないが、(瑞季のせいなのだが)、謝ってしまう柚。
瑞季の機嫌を取るために身についてしまった行動でもある。
『なんで柚が謝るわけ?』
「…ぇ、あの、それは……」
『はぁ、もういい。帰るぞ。』
「あっ、ちょっ…!」
無理矢理柚の手から箒を奪い取る瑞季。
5時までだって言ったのに…ッ!!
『さっき、その山田?先生とかなんとか言う先生に会った。』
「山中、先生、だよ…。」
『そう、それ。で、もう帰ってたぞ。』
「え!?」
自分だけ!?
生徒に掃除やらせといて、自分だけ!?
『反省文は、本人に書かせてるから受け取れとか言ってた。』
「なっ……」
自分に提出しろとか言ってたのに…!?
柚は、これほどにもない怒りを感じていた。