Chu-Lips
しかも7階って…!
私が住んでる階じゃん!
「みっ、瑞季くんっ…!?」
『ん?』
「あのっ、もう、ここでいいよ…?」
『…は?』
すっかり、瑞季がここまで送ってくれているものだと思い込んでいる柚は、何でオートロックの鍵を瑞季が持っているかは別として、瑞季を止めた。
「私を、送ってくれたんでしょ…?魔法の鍵を持ってるみたいだけど…。」
『は?』
しかも、柚はオートロックが解除できたのは、瑞季が魔法の鍵でも持っているからだと思ったらしい。
柚の飛んだ発想に、笑いをこらえる瑞季。
『クッ…魔法の鍵?そんなん持ってねぇよ。』
「えっ!?だ、だってっ…オートロック…!」
『ははっ!あれは、れっきとしたあのオートロックの鍵。』
「嘘っ……!」
差し出された鍵は、柚が持っているものと全く同じものだった。
それに驚いているにもかかわらず、
『俺の新しい住居、ここだから。』
「は――…!?」
瑞季は追い打ちをかけるようにそう言った。