Chu-Lips
『今日から学校だったの?』
『ええ。』
あれ…?
瑞季くんに、いつから引っ越ししてきたの?とか、瑞季くんの両親は元気?とか、聞かないんだ…?
『柚とは違うクラスだった?』
『いえ、偶然にも同じクラスで。』
『そう!柚、よかったわね。頼れる瑞季くんが一緒で。』
「えっ……」
自分の母のことを疑問に思っているところに、自分に振られ、びっくりした柚は、内容は分からなかったが、取り敢えず笑顔で頷いた。
『あっ、じゃぁ、瑞季くんがいてくれるなら安心ね!』
「え?」
安心?
どっ、どゆこと?
何か嫌な予感を感じてしまう柚。
自然と母親の笑顔が黒いことを理解し、そう感じてしまうのも無理はない。
母親は、すごく飛んだ思考を持ち合わせているのだから。
『今日、柚を預かってくれる?』
『え……』
「はっ!?」