Chu-Lips
『これはもう、瑞季くんにお世話になるしかない!って、思ってね~♪』
「ママ……」
お願い、私を見捨てないで…。
お留守番くらい1人で出来るからぁ~(泣)
嫌だと目で訴える柚を、母親は気にも留めずに瑞季に笑顔を零している。
『良い?瑞季くんっ』
「瑞季くん、私は――」
『分かりました。俺で良いなら…。』
『ありがとー!』
「みっ、瑞季くんーっ(泣)」
ウソでしょー!?
涙目でいる柚を無視し、柚の母は風のようにその場を去って行ったのだった。
なんで…
どうしてこんなことにーーっ!?
柚の心の叫びは、誰にも届かずに…。