Chu-Lips
ふっ、服――!!
何も着てないって、どうゆうこと!?
「やっ…やだっ、瑞季くんっ」
『何、びっくりした?』
「おねが――っ…離してっ…!」
『それは無理だなぁ。』
目の前の裸体に恥ずかしくて、後ろを向こうとする柚を、瑞季が腕を掴んで離さない。
その上、艶艶と微笑んでいる。
『さっき、聞こえなかったんだろ?もう1回だけ言ってあげる。』
「!」
『母さんはいないよ?日本には。父さんもね。』
「!?」
柚の耳元で、わざとそう囁く瑞季。
ヤバい――
背中に悪寒が走った柚は、危険を察知して、抵抗を強めた。
「やっ…ホントにやめ――っ」
『離したら、どうすんの?』
「帰るっ――」
ダンっ!!
“帰る”
この言葉を柚が言った時、柚は壁に押し付けられた。
…今、何が起こった――?