Chu-Lips
波打つ変化
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「…、行ってきます。」
『は~い!いってらっしゃい!』
それから2週間がたった。
いつものように登校する柚を、
『あ!ちょっと柚~!』
柚の母が止めた。
「何~?もう行かないと――…、」
『忘れ物!!』
「あ…。」
柚が渡されたのは2つのお弁当。
1つはもちろん柚のモノで、もう1つは――…、
『ちゃ~んと、瑞季くんに渡すのよー?分かってるわね?』
「はぁーい…。」
片方は、瑞季の分だった。
柚の母は気を利かせて、偏りがちな瑞季の食事を気にかけ、毎日、瑞季にお弁当を渡している。