Chu-Lips
『そうなのよ!それで、今日は外食にしようと思って。』
「えー!?だったら何でママだけ先に行ってるの!?私も――」
『だーめっ!柚はお留守番!』
「そっ、そんなぁ…。」
自分はお留守番だと聞いて、全身脱力する柚。
最近、本当にお留守番多いよね。
「何でー?」
『ちょっとくらいラブラブさせなさい!パパとママにも!』
「ぅうー…。」
ラブラブって何よ~?
いつも私の前でやってんでしょ~??
『柚と瑞季くんの分はキッチンにちゃんと作ってあるから!一緒に食べなさい!良いわね!?』
「ぇえ…」
『えー、じゃないの!これも柚、あんたのためよ!?』
「えっ?」
『じゃーねっ!』
ブチッ
「あっ!」
一方的に切られた電話。
また瑞季くんと一緒なの~…?
柚は憂鬱になりながら、固定電話を置いた。