Chu-Lips
一人ウジウジ考えていた柚だが、
ガチャ
『――小柚、』
「っ・・・!?」
何故だか、柚の家に瑞季が入ってきた。
「なっ、なななななっ!?」
な、何で!?
どうして自分の家に瑞季がいるのか。
目の前で当たり前のように立っている瑞季を、柚は凝視した。
『これ。』
「へっ?」
『小柚の母さんからもらった。』
「ッ……!?」
ま、ママ…!?
柚の知らないところで、柚の母はこっそり瑞季に合い鍵を渡していたのだ。
それも、柚の母の策略。
柚の母は、柚と瑞季が恋仲になることを強く願っているからだ。
…柚はまだ、そのことを知りもしないが。