Chu-Lips
『…何でだよ。』
「瑞季くんの、意地悪…!!」
何も分かってない、瑞季くんは。
今までの気持ちが全て、蓋がとれて溢れ出す。
「私ばっかり…!どうして苛めるの!?5年ぶりに再会して、嫌だなって思ったけど、アメリカに行って、成長したんだなって思ってたのに…!どうして!また同じようなことするの!?」
『小柚、』
「“小柚”だなんて呼ばないで!」
『・・・!』
意地悪な瑞季くんなんて嫌い。
どうして私だけ苛めるの。
何でキスするの。
私ばっかり責めるなんて…おかしいよ。
泣いている柚に拒否られて、瑞季は悔しさで拳を握った。