Chu-Lips



実は昨日、柚の両親は外食すると出て行ったきり、朝まで帰ってこなかったのだ。

瑞季と夕食を食べている最中、柚の携帯に送られてきたメール。

それには、今日は帰らないから、瑞季の家に泊まりなさいと言う母からのメールだった。


それを瑞季に見せると、夕食の片付けを終わらせた直後、瑞季の家に連れ込まれた柚。

そうして現在、柚は瑞季のベッドの中にいる。


「支度…しなきゃ。」

『まだ6時だ。…もうちょっとこのまま――』

「ッ、瑞季く――!?」


寝起きのクセに、柚を引き寄せる瑞季の力は強かった。

朝から瑞季に抱きしめられ、柚は顔を真っ赤にさせる。

男には全くの免疫がない柚にとって、この行為は考えられない。

つまり、柚には刺激が強すぎるのだ。

瑞季のおかげで、柚はもうぱっちり目が冴えてしまった。


『小柚、』

「ん・・・」


瑞季に抱きしめられているため、瑞季が喋るたびに、その吐息が柚の耳元にかかる。

それが艶やかで恥ずかしくなった柚は、瑞季の胸に顔を埋めたのだった。




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