Chu-Lips
結局、2人がベッドから出たのはそれから30分後のことだった。
柚は簡単な朝食を作り瑞季と朝食を済ませると、自分の部屋に戻り学校の支度を済ませた。
今日は金曜日。
今日頑張れば、明日からお休みだ。
そう自分に言い聞かせて、重い腰を上げる。
「ぁ、お弁当…。」
ふと柚は思い出した。
母がいないのだから、自分がお弁当を作らなければならない。
でも、もう5分ほどで家を出なければ遅刻してしまう。
瑞季くんには悪いけど…今日は食堂だ。
鳴り響いた家のチャイムに、柚は我に返り、バッグを持って玄関を出た。
ガチャッ
「え、瑞季くん…?」
玄関の外には、制服姿の瑞季が立っていた。
『早くしろ。遅刻するだろ?』
「あ…うん!」
瑞季に催促され、家の鍵を閉めた柚は、瑞季の後を追う。
いつもは別々なのに、今日は一緒に登校するらしい。
どうしたんだろう?