Chu-Lips



「…みっ、瑞季くんっ…!」

『ん?』

「こ、これはっ…」


瑞季との初登校。

しかも、瑞季と柚は手をつないでいる。

瑞季は分かっているのか、手を繋ぐくらいで顔を赤くする柚を気にしていない。

逆に、そんな柚を愛しいと思っている。


「みっ、皆に見られちゃうよ…!?」

『良いよ、別に。見せつければいーじゃん?』

「っ・・・!?」


思わず柚は、瑞季の返答に嬌声を上げそうになった。

今まで下校することはあったが、登校することはなかった2人。

柚としては、瑞季のその態度からして、本当は自分と一緒にいたくないのではないかと言う疑惑が生まれていた。

自分が瑞季のお隣に住んでいることなど、周りの人には知られたくないのだろうと。

だが・・・

それは全くの勘違いだった。




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