レンタル親友






 長い長い4時間が終わった。
今日は新学期初日のため、4時間下校。


私は係の仕事で戻ってきたばかりで今帰りのしたくを始めたばかりだった。
みんなすでに下校しているか部活へ行っているかのようだ。



「あー疲れた」

「何言ってんだよ、担任紹介とか自己紹介だけだろ」

「あっ、賢人!!」

「何?さっきから俺はいたぞ、気付かなかったのかよ」

「うん・・・」

「俺さ今日優奈と一緒にかえってあげることできないんだ、ごめんな」

「は?!何言ってんのよ!まるで私が悲しいみたいな言い方やめてよね!」

「だって、そうだろ?」

「違う~だいたいそういうの彼氏と彼女がするようなこと!私たちは幼なじみでしょ!」

「あっそ、じゃあな」


というとスタスタ賢人はどこかへ行った。



「何怒ってんのよ、意味不明!」


家が隣だった私と賢人は昔から一緒に登下校していた。



「だいたい、みんなは私たちが付き合ってるとか噂してるけど、ありえないでしょ!幼なじみは幼なじみなんだから・・・・」



すると私を呼ぶ声がした。



「海道さん?」

「あっ!麗花、咲恵、結衣!もう帰ってたんじゃなかったの?あと、優奈でいいよ」

「わかりましたわ 優奈のこと待っていましたのよ」

「私のことを・・・・?」

「優奈、私達と一緒に帰りあそぼうよ!」

「どこか行くの?」

「おいしいクレープ屋です、一緒にどうですか?」

「行きたい!」


不安から始まった、2年生。




友達ができたと喜んだことを、後で私は後悔することになるなんて。




     


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