9日
将来
進路
新学期になった。
卒業まであと半年。
受験まであと約4ヶ月。
早すぎる。
始業式が終わって、大掃除の時間になった。
夏休み前の終業式に大掃除したから綺麗だった。
私と紗綾は教室の机に座って話していた。
D組の七海がB組に来て言った。
七海「女テニいる!?女子テニス部~、いたらD組来てだって。岡田先生がいいものくれるって~。」
紗綾「なんだろ、ボールとかかな?」
「行ってみよ!」
D組に行くと女子テニス部が沢山集まっていた。
「先生~、いいものって何ー?」
岡田先生「えーっと、羅夢。はい。」
渡されたのはA4サイズの写真用紙。
そこに引退試合で撮った集合写真や岡田先生が盗撮したみんなの試合をやっている姿の写真などが編集されていた。
一番上には“2年3ヵ月間、共に泣いて笑った最高の仲間たち”と書いてあった。
「わー!ボールよりすごいし!」
裏を見たら、小さくて汚い岡田先生の字でぎっしりメッセージが書かれていた。
D組の教室でみんなで読んでいたが、私は読んだ瞬間、涙が止まらなかった。
岡田先生「これ、そこで読むな。掃除行け、掃除~。って泣いてるし(笑)」
透明なファイルにしまって部屋に飾りました。
そろそろ進路も決定しなければいけない時期になってきた。
私はまだ決めるどころか、悩み中の選択肢が3つもあった。
公立のO高校。
私立、女子校のN高校。
推薦。
私立、H高校。
推薦。
私は悩んで放課後、担任の諸星先生に相談した。
諸星先生「近くて安いのは公立だけどな~、女子校って怖そうだよね。
いろんな先生の意見も聞いてみたら?」
なんてアバウトな答えだな。
タイミング良く、岡田先生が通った。
諸星先生「お、いいところに岡田先生がいるじゃないか。」
「岡田先生~。」
岡田先生「おう、なんだ?」
「志望校が全然決まらなくて…。」
岡田先生「いくつか候補はあるんやろ?」
岡田先生は最終下校まで相談にのってくれた。
結局は自分で決めないと後で後悔するぞ、とのこと。
やっぱ私の未来は私次第なんだ。