9日
2.夏
引退
修学旅行から帰ってきてすぐに期末テストになった。
先生が今年度からほとんど変わったのでテスト形式が未知で点数も微妙だった。
社会が返された時、69点だったけど採点ミスを見つけた。
72点に上がった。
夏休みに入った。
私にとって、この夏最大の行事、引退。
引退試合の日の最後、青い芝生にみんなで座り、3年が一人ずつ泣きながらコメントを言っていった。
「今まで先輩が嫌で毎日雨降れ、とか部活辞めようともしたけど、
優しい後輩達と頑張ってきた同期のみんなとたった3ヵ月だったけど引っ張ってくれた岡田先生と今ここにいれて本当に良かったです。
これからも頑張って下さい。私達が弱かった分、県大会行って下さい。本当にありがとうございました。」
みんなが帰った後も、親が迎えに来るので私と美月は試合会場に残っていた。
私は先週何度も何度も書き直した手紙を岡田先生に渡した。
「今までありがとうございました。」
岡田先生「え、俺に?ありがとう!家でゆっくり読むよ。」
こうして私達は引退し部活の現役時代に幕を閉じた。
それから受験生の私は毎日塾だった。
そう、魔の夏期講習。
私の通っている塾は地元では一番レベルが高く、怖いと有名な先生がいる塾だったのでなおさら魔だった。
お盆休み以外毎日塾、10時から夜10時まで塾。
家より塾にいる方が断然長い。
塾に寝泊まった方が早いんじゃ…。
しかも他のスクールでは勉強合宿もあるらしい。
本当に受験生の夏は辛かった。