Tricksters勤務外活動報告書
「気色悪りぃ……」と、ため息をついてから淳一は、ボタンエビを口の中に押し込んだ。
プリプリとした食感が最高だ。
甘味もちょうどいい。
しっかり咀嚼してから、日本酒を一口。
俺も大人になったもんだ。と淳一は頷いた。
それに比べて、隣にいるこの男前はどうだろう?
淳一は憐れみと視線をゼンに投げかける。
「お前さ、なんで俺のこと誘ったの?」
「そりゃ、単純だからだろ。“寿司食わしてやるから付いて来い”って言えば素直についてくるからだ。
今時、三歳の女の子ですらお菓子振りかざしてもついてこないぞ?」
「それ、完璧援助交際の援助する側の心理だな。
おまえ最低ー」
「じゃあ、淳一はなんでついて来た?」
「腹が減ってたから」
「それ、完璧援助交際の援助される側の心理だな。お気の毒に……」