Tricksters勤務外活動報告書




英国紳士のようにパーフェクトに着こなされているストライプのきいたスーツ姿で、長めの髪がかかる端正な顔立ち。


悔しいくらいに輝いていて、女子は皆
彼に心奪われる。


それを最大限に理解して、次から次へと女子たちを魅力していく彼
ユカリは愛情と憎悪に挟まれて苦しくなる。

彼を、独り占めできるのは
この所長室にこもる僅かな時間と
彼が気が向いた時にだけ共にしてくれるベッドの上の甘い一時だけだ。



「所長」

「なに?」


呼びかけても、顔を書類に落としたままだ。

いつもなら、なんでもありません。と答えて自分の席に座る。


だけど、今日は手にしたアルバムを握りしめて一歩も動けない。



「どうした、ユカリ」



お願い……
恋人じゃないなら、名前で呼ばないで

ユカリは、アルバムを握りしめたまま
その端正な甘いマスクを睨みつけた。




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