いつも強がりだったキミへ~愛のカタチ~
「・・・俺さ、今、会社経営してて...お金にも地位にも何も困らない。俺は人生の勝ち組・・・なんて思ってた。でもよ、ある時な突然、孤独感でいっぱいになったんだ」
「孤独・・感...」
「俺は何に勝ったんだろう?って好きな女目の前で取られて、それも応援してたなんて。「ぜってぇ付き合えよ」...なんて言ったのは俺なのに・・・・」
社長で地位もあって、だから、こんな良い部屋に住めて何も不自由しない。
そんな誰もがあこがれる生活を送る新太は...酷く悲しそうだった。
「何もかもにムシャクシャして、世界で1人きりみたいな...あいつら、今頃仲良く暮らしてんだろうなって、そんなこと思いながらの生活に嫌気がさした」
新太の気持ちも知らないで...私は・・・最悪だよ...。
もし・・新太の立場が私だったら――?
大好きな人が目の前にいるのに・・・手が届かない。
大好きな人が、自分の親友と付き合いたいからって自分に相談されて...
――私だったら心から応援できる...?
「頑張って」って心から言える?
―――ううん、絶対に言えない。
その立場にいた新太は・・・どんなに辛かったんだろう?
苦しかったんだろう?・・・・悲しかったんだろう?
自分じゃ計り知れないくらいの想いを新太は抱えてんだと思う。
「久しぶりにあった、さゆりはさ・・・昔と変わって無くて。隼がいなくなっても元気で笑ってて...さゆりの、その笑顔で俺の心を見透かされそうで...怖くなった。隼にも・・・ムカついた。俺から取っておいて、俺にこんな思いさせて...自分はとっとと死んじまうし...」
重く悲しい...新太の口から出される言葉は、鋭く私の胸に突き刺さる。