いつも強がりだったキミへ~愛のカタチ~
急いでマンションから出ると、外は一面真っ白だった。木も花壇も看板も...すべて白で覆いかぶされていた。
腕時計に、ちらりと目をやると時刻は4時前。
薄暗い中でも十分に辺りは見えた。
...雪が...降ってたんだ。
歩くたび、サクッサクッと音がする。きっと、まだ新しい雪...降ったばかりだと分かった。
――12月26日。
クリスマスが明け、しんみりとした日。それが私達の誕生日だった。
昔から、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントが同じで1つしかもらえない....そんなことで、一々文句を言っていたのを覚えている。
それを隼ちゃんに話すと、「俺も同じ」と言っていた。
私は魔法使いでも...なんでもない普通の人間。
人を生き返らせたり...そんな事は出来ない。
死んだ人、生きている人。
この境界線は誰も越えることが出来ない。
...だから現実から逃げちゃだめなんだと思う。
逃げたって、泣いたって...何も変わらない。
だったら・・・いっそ割り切っちゃえばいいの。
逃げて、泣いたらいいの。
悲しんだらいいの。
その人と過ごした時間を・・・精一杯、大切にすればいいの。