いつも強がりだったキミへ~愛のカタチ~




消えかけた字が雪で覆われている。



そっと手を伸ばし、雪を払うと・・・見えてきた。



【長野原公園】



朝、アルバムから出てきた紙に書いてあった公園。




隼ちゃんと私の思い出が詰まった公園なの....ここは



一面、白い絨毯が敷いてあるみたいに、真っ白な雪で埋め尽くされていた。




―――...。


20歳の時、一緒に埋めた...タイムカプセル。


結婚した時に・・・開けようねって約束して。




互いに、何を入れたかは秘密。


結婚した時まで内緒って...。




――でも...もう、結婚はできないから



...今が...開け時...だよね。




胸にそっと言い聞かせる。




ブランコと滑り台と鉄棒...本当に一般的な小さな公園。


滑り台の下に埋めた...ってのは覚えてるけど・・・



もしかしたら...もう、ないかもしれない...。



一気に不安でいっぱいになった。




ゆっくりと足を進めていく、そして滑り台の下へと着き、そっとしゃがみこむ。


雪で覆われた地面。



・・・よしっ


ごくりと生唾を飲み、勢いよく雪を退かす。



冷たいけど...仕方がない。私が選んだんだもん....。





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