いつも強がりだったキミへ~愛のカタチ~




雪を退かすこと・・・早30分。



段々と体が冷えてくるのが分かる。吐く息だって、真っ白。もう5時目前だった。




「出てこない....何で?」



退かしても退かしても・・・出てこない。


頭の中は不安でいっぱいいっぱい...



ふと、手を見ると小刻みに震え、真っ赤だった。



視界もクラクラしてくる、気を抜かしたら倒れてしまいそう...。



同じ姿勢に疲れ、滑り台に寄りかかった時――!



「・・・・これって....。」



さっきまで、クラクラしていた視界が一気に醒める。



古ぼけたクッキーの箱....これ・・・だ!!



急いで周りに付いている土を取り除き、ぎゅっと胸に抱きしめる。




頑張って・・・・良かった....



冷えた体が魔法みたいに暖かくなってきた。手だって震えてない、視界だってちゃんと利く。



・・・・隼ちゃんの....魔法だ...。
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