断崖のアイ
ホテルに戻り、青年は小さく溜息を吐き出した。そうして液晶テレビの前にあるソファに腰掛けるユーリを一瞥して紅茶を作り始める。
「どういった組織なんですか」
2人分の紅茶を持って戻ってきた彼に問いかける。それに少し苦い表情を浮かべたが、左斜めにある1人がけソファに腰を落とし口を開いた。
「組織名は『The glory of God』。略称は『G o G』もしくは『The glory』と呼ばれる」
「……『神の栄光』ですか。いささか複雑な気分です」
ティカップを手にして眉をひそめる。
ひと口含んで、視線を外している彼をじっと見つめた。何を訊かれるのか解っているのだろう、エメラルドの瞳に迷いが窺える。
「他の神父もそこに?」
「そうだ」
「よく今まで気付かれずに……」
「それだけ組織が巨大だという事だろう」
「いつからあるのですか?」
「私も詳しくは解らん。創始者はサイナスという男らしいが」
「! サイナス?」
怪訝な表情を見せた青年を一瞥して続ける。
「どういった組織なんですか」
2人分の紅茶を持って戻ってきた彼に問いかける。それに少し苦い表情を浮かべたが、左斜めにある1人がけソファに腰を落とし口を開いた。
「組織名は『The glory of God』。略称は『G o G』もしくは『The glory』と呼ばれる」
「……『神の栄光』ですか。いささか複雑な気分です」
ティカップを手にして眉をひそめる。
ひと口含んで、視線を外している彼をじっと見つめた。何を訊かれるのか解っているのだろう、エメラルドの瞳に迷いが窺える。
「他の神父もそこに?」
「そうだ」
「よく今まで気付かれずに……」
「それだけ組織が巨大だという事だろう」
「いつからあるのですか?」
「私も詳しくは解らん。創始者はサイナスという男らしいが」
「! サイナス?」
怪訝な表情を見せた青年を一瞥して続ける。