断崖のアイ
「あなたは」

「ん?」

「アルカヴァリュシア・ルセタの者ですね」

「! どうして解った」

「独特の癖があります。先ほどの女性はニューヨークなまりがあり、接した方々の言動からここはアメリカ合衆国だと推測しています」

「……そうだ。ここはカリフォルニア州になる」

 窺い知れないエメラルドの瞳は、子どもらしからぬほどに情報を得ていた。目にし、感じた情報を正しくより分け導き出している。

「あなたは他の方と動きが異なります。軍人とも……特殊部隊に所属しているのでしょうか。それが可能だという事は、アメリカ国籍も有していますか?」

「質問するのは俺だ」

 苦笑いで発すると、ベリルは若干ハッとして視線を外した。
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