断崖のアイ
「君がユーリ・ヘフナーか。なるほど、確かに今までとはちょっと違うタイプだね」

「あなたは……カーティス神父?」

 それにカーティスは苦笑いを浮かべる。

「元だよ」

 乱雑な金の髪に青い瞳は実際の年齢より若干、若く感じられる風貌をしていた。アジア人である泉も、見た目よりは歳を取っていると窺える。

「やはり、彼を追っていた神父たちは『The glory』に──」

「1人はそれすらも止めたけどね」

 意外な言葉にユーリは目を丸くした。全ての人間が、ベリルを守る側につく訳ではないらしい。

「それが本来のベリルの望みだ」

 カーティスは肩をすくめた。
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