断崖のアイ
黒のショルダーバッグに着替えを確認しながら詰めていく。
発見した場所はブリスベン──オーストラリアだ。パスポートを開いてすぐに閉じる。キャソックを最後に詰めてファスナーを閉め肩にかけた。
オーストラリアはいまの季節は冬であるため、落ち着いたグレーのパンツに長袖のシャツの上は薄手のコートを合わせた格好となっている。
部屋を出て、外へと上るエレベータのある通路を歩いていると鼓動が速くなっている事に気がついた。
それに小さく苦笑いを浮かべ、エレベータの前で待つアイアス司祭と司教たち数名に決意の眼差しを向け開かれたドアの向こうに滑り込む。
振り返り、無言で頷き合った。
「……」
とても長く感じられるエレベータ内でバッグのベルトを強く握りしめる。
彼に自分が敵うのだろうか……何度も問いかける。自問自答した処で一度も向き合っていない相手との事など解るはずもなく、薄笑いを浮かべて溜息を吐いた。
エレベータが止まり、音もなくドアが開く。
発見した場所はブリスベン──オーストラリアだ。パスポートを開いてすぐに閉じる。キャソックを最後に詰めてファスナーを閉め肩にかけた。
オーストラリアはいまの季節は冬であるため、落ち着いたグレーのパンツに長袖のシャツの上は薄手のコートを合わせた格好となっている。
部屋を出て、外へと上るエレベータのある通路を歩いていると鼓動が速くなっている事に気がついた。
それに小さく苦笑いを浮かべ、エレベータの前で待つアイアス司祭と司教たち数名に決意の眼差しを向け開かれたドアの向こうに滑り込む。
振り返り、無言で頷き合った。
「……」
とても長く感じられるエレベータ内でバッグのベルトを強く握りしめる。
彼に自分が敵うのだろうか……何度も問いかける。自問自答した処で一度も向き合っていない相手との事など解るはずもなく、薄笑いを浮かべて溜息を吐いた。
エレベータが止まり、音もなくドアが開く。