断崖のアイ
「まだ建物からは出ていないんだな」

「はい」

 確認し、ドア付近にある目線と同じ位置のパネルに触れた。

<建物内に潜伏しているベリルを探せ、麻酔は回収し通常武器で対応を>

 ナフタリの声が建物内外に響き渡る。

「い、いいんですか?」

 丁重に扱えと言われていた部下たちは、さすがに戸惑った。

「構わないですよ。多少のおしおきは必要だ」

 唇の端に笑みを浮かべる。

 麻酔を装備していれば、それを奪われ使用される事は明らかだ。武器を使うより容易く相手を倒せ、血を流さずに済む。
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