断崖のアイ

 ナフタリは、突然の出来事にモニター室に駆け込む──

「何が起こった」

 未だ鳴りやまぬ警報に眉を寄せながら、監視カメラの映像を一瞥していく。映し出される部下たちの不甲斐ない様子に、はばかることなく舌打ちした。

<ベリルを優先しなさい。他の事には手出ししなくてもよろしい>

 流したあとに溜息を漏らし、そこにいた部下に視線を送る。

「ベリルを見つけたらあたしにすぐに報告を」

「はい」

 指示をしてモニター室から出て行く。

 部下たちだけでは心許ないナフタリは、自らも捜索を始めた。
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