断崖のアイ


 山間を抜け、しばらくすると灰色の建物が姿を現した──あちこちから煙が立ち上り、未だ小さな爆発が起きているようだ。

 泉たちが来た事を確認した彼らの仲間たちが一斉に建物に向かう。どれも武装している姿にユーリは眉を寄せた。

「ユーリ」

「!」

 カーティスがいつもの笑顔でユーリに歩み寄る。

「言ったこと覚えてるよね」

「はい」

 苦い表情を浮かべた青年にクスッとこぼし、付け加えた。
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