断崖のアイ
「大人しく来てもらうぞ」

 1人の男が口を開く。

 ベリルは「ああ、またか」と言った風にそれぞれを一瞥し、小さく溜息を吐き出した。彼らの雰囲気からして、ハンターだということが解る。

 体格は皆ベリルよりも大きく、細身である彼に臆する者がいるはずもない。

 それでも彼は従う姿勢を見せず、男たちは舌打ちを混じらせてハンドガンを取り出す。

 その刹那──銀色の光りが男たちに走り、肩や足に鋭い痛みを与えた。

 倒れ込む3人の男に突き刺さったナイフは、柄に取り付けられていたワイヤーによって持ち主の元に還っていく。

「!」

 呻き声を上げる男たちから後ろに視線を移すと、泉が険しい表情でそこにいた。
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