断崖のアイ
 ただし、裏ヴァチカンにいる事と組織の存在だけは何があっても他言は許されない。

 都市伝説として存在はしていても、それを公にすることは組織の存在意味から考えて世の中に明かす事は出来ないからだ。

「神父になるなんておまえらしいよ」

 方を軽く叩かれて小さく笑みを見せる。

「昔っから間違ったことは嫌いだったもんなぁ」

 ちょっとでも解らないことがあったら先生を問い詰めたりさ。

「お前から逃げ回ってた先生もいたぜ」

「そんなこともありましたね」

「また連絡くれよな」

 友人は飛行機の時間を気にしたのか、腕時計を見やり足早にドアをくぐった。
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