断崖のアイ
◆第3章~いつかの昔
*ゼロから始まる物語
自分がどうして生まれたかなど私にはどうでも良い。
それによって私に何か変化をもたらすものではないからだ。
問いかける者たちが私に何を望むのか解らない。
ただ「そこに在る」という事に答えを欲しがるのは、自身が安心したいだけに過ぎない。相手の意思など求めてはいないのだ。望む答えを求め、時には傷つける。
しかし、彼らが求める答えを私は持ち合わせてはいない。
生まれた理由など、これから生きていく事に比べればどうでも良い事だ。