断崖のアイ
その夜──施設と基地との境界線に2つの影。
「これをサイナスって奴に渡せばいいんだな?」
男が渡された荷物と、言われた人物の写真を眺めて問いかける。
「うむ。お前が探せなくとも、相手から見つけてくれるだろう」
低い声が暗闇に響く。男の声に怪訝な表情を浮かべながらも、ミリタリー服の30代ほどの男は金を受け取りその場をあとにした。
その背中を見つめて男は口の端を微かに吊り上げる。
「共に神の御身のために……」
つぶやいて施設に足を向けた。
「これをサイナスって奴に渡せばいいんだな?」
男が渡された荷物と、言われた人物の写真を眺めて問いかける。
「うむ。お前が探せなくとも、相手から見つけてくれるだろう」
低い声が暗闇に響く。男の声に怪訝な表情を浮かべながらも、ミリタリー服の30代ほどの男は金を受け取りその場をあとにした。
その背中を見つめて男は口の端を微かに吊り上げる。
「共に神の御身のために……」
つぶやいて施設に足を向けた。