断崖のアイ
一週間後──オーストリア共和国。通称オーストリアは、ヨーロッパの連邦共和制国家だ。首都はウィーン。
中部ヨーロッパの内陸に位置しドイツの南方にある。
そのオーストリア北部のドナウ川下流地域に広がる景勝地、ヴァッハウ渓谷の両岸には古城や修道院が点在している。
その一角に男は訪れた。
ひっそりと奥まった空間は、得体の知れないモノが漂っているように感じられ自然と身震いしてしまう。
世界遺産に認定されている一帯だが、人目にまったく触れない場所もある。
手にしている地図で目的地を探し歩き時折、すれ違う人を持っている顔写真に一瞥しながら進んでいった。
歴史を感じさせる石畳は観光気分にさせるが、男がここを訪れたのには理由がある。
『そっちじゃない』
「!」
どこからともなく聞こえてきた声にビクリと体をこわばらせ、辺りをキョロキョロと見回す。しかし声の主は見あたらず再び足を一歩、進めた──
『右だ』
「!?」
間違いなく聞こえた声に瞳が恐怖を表す。言われるままに足を進めて、たどり着いたのは小さな建物だった。
中部ヨーロッパの内陸に位置しドイツの南方にある。
そのオーストリア北部のドナウ川下流地域に広がる景勝地、ヴァッハウ渓谷の両岸には古城や修道院が点在している。
その一角に男は訪れた。
ひっそりと奥まった空間は、得体の知れないモノが漂っているように感じられ自然と身震いしてしまう。
世界遺産に認定されている一帯だが、人目にまったく触れない場所もある。
手にしている地図で目的地を探し歩き時折、すれ違う人を持っている顔写真に一瞥しながら進んでいった。
歴史を感じさせる石畳は観光気分にさせるが、男がここを訪れたのには理由がある。
『そっちじゃない』
「!」
どこからともなく聞こえてきた声にビクリと体をこわばらせ、辺りをキョロキョロと見回す。しかし声の主は見あたらず再び足を一歩、進めた──
『右だ』
「!?」
間違いなく聞こえた声に瞳が恐怖を表す。言われるままに足を進めて、たどり着いたのは小さな建物だった。