断崖のアイ

*妖しの笑み

 ──ベリルが2歳を迎える頃には、その存在感はすでに招かれている専門家たちを恐怖させていた。

 それと同時に、全てを吸収していく子どもへの関心は強く恐怖心さえもその魅力には勝てなかった。

「希望するものはないか」との言葉にも要求は言わず、与えられるものに満足している。

 1日一度、必ず訪れるベルハースと短い会話を交わし日々は過ぎていく。

 整った顔立ちから、成長すればさぞ見目麗しくなるだろうとベルハースは期待していた。

「そうでなくては神の隣に座す者として相応しいとは言えない」当初、容姿まではあまり期待はしていなかったベルハースだが、願ったりだと口角を上げる。
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