断崖のアイ
「あなたが影から彼を守っているというわけですか」
ひるまずに発すると、男は険しい表情を浮かべてすぐにニヤリと笑んだ。
「さあ、それはどうかな」
「! まさか他の神父たちも?」
それには答えず、ただ不気味に微笑む。
「あいつにとって邪魔なものはことごとく滅する」
ゾクリとした──殺気を感じて、咄嗟に腰に提げていたロッドを振る。当たらなかったが男の襟元をかすり、そこから何かが顔を出した。
「!?」
そのネックレスのチャームには見覚えがある。ベリルの持っていたハンカチに刺繍されていたマークだ。
間違いない、彼を影から支える組織が存在している──!
「……っ」
何かがきらめいて体を素早くスライドさせた。それは右肩をかすめて木立に甲高い音を立てて突き刺さる。
ひるまずに発すると、男は険しい表情を浮かべてすぐにニヤリと笑んだ。
「さあ、それはどうかな」
「! まさか他の神父たちも?」
それには答えず、ただ不気味に微笑む。
「あいつにとって邪魔なものはことごとく滅する」
ゾクリとした──殺気を感じて、咄嗟に腰に提げていたロッドを振る。当たらなかったが男の襟元をかすり、そこから何かが顔を出した。
「!?」
そのネックレスのチャームには見覚えがある。ベリルの持っていたハンカチに刺繍されていたマークだ。
間違いない、彼を影から支える組織が存在している──!
「……っ」
何かがきらめいて体を素早くスライドさせた。それは右肩をかすめて木立に甲高い音を立てて突き刺さる。