風花
それから数ヶ月、私と清谷さんが関係を持つまで時間はかからなかった。

彼氏がいながら何故こうなったのか・・・全く分からなかった。

清谷さんが私を好きか・・・とか、私が清谷さんを好きか・・・とかではなかった。


ただ、清谷さんを独りにできなかった。


他に理由はなかった。


清谷さんの腕に抱かれていると、さみしい気持ちが伝わってきた。
泣いてるようだった。
体を重ねて抱きしめ返すことで、救いたかった。

世間はこれを不倫と呼ぶのだろう。

私は、何をしてるんだろう・・・。

答えが分からないまま、数え切れない数、体を重ね、抱きしめ、時が過ぎていった。

< 11 / 13 >

この作品をシェア

pagetop