風花
清谷さんが休暇に入って2日目。

3ヶ月ぶりに綾部からメールが送られてきた。
転勤してから初めてのメール。

お互い忙しく、3ヶ月の間全く連絡をとらなかった。

正確に言えば私は何度か電話をしていた。

綾部が転勤してから、以前のように本音で愚痴れないストレス、さみしさ、
そして今回の清谷さんの休暇の件。

色々話したかった。

転勤して忙しいのか、折り返し連絡がないまま3ヶ月が過ぎていた。

久々の綾部からの連絡に嬉しさ半分、怒り半分だった。

すぐにメールを見るのも悔しい気がしたが、
これだけ私の連絡を無視し続けた綾部が、一体どんな文章を送ってきたかが
気になって仕方なかった。

綾部からの文章は、想定外の文章だった。

「おつかれ。今週末そっちに行こうと思ってるんだけど、
お前、予定空いてたら一緒に清谷さんの見舞い行かない?」

え?

お見舞い?

聞いてないし、社内で誰もそんな話してない。

総務に聞いた話では「ご家庭の事情」というだけで、
それ以上教えてもらえなかった。

何かあったのだとは思っていたけど、何となく聞いてはいけないような気がしていた。


呑気にメールなんかで会話してる場合じゃないっ!

・・・と思ってる間に、私の指は綾部の携帯をコールしていた。
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