「まだ、すきなのって言った方が…早いかな」


「まだ?もしかして…北条と…」


「うん…1年生~2年生の3学期まで付き合ってた」


「でも、北条は嫁さんいんじゃん」


「だから今日、理科室でキスして…終わりにしたよ」


「お前、なんで男性恐怖症なのに、北条はいいんだよ!
マジ意味わかんねぇ…」


「怒ってる?」


「別に怒ってねーよ」


「怒ってるじゃん!」


「嫉妬だよ!」



…ユウキ、ほんとうにマミのこと
すきなの…かな…。

いつから…?
なんだか空気が少し重くなって、逃げたくなった。
だから…

「しっ、嫉妬とか、ウケる~!」


思わず、作り笑いをしてその場を和ませようとした。


「本気だよ!バカにしてんだろ!どうせ俺は弱いし、泣き虫だし、でも!この気持ちだけは強いんだよ!ホンモノなんだよ!俺も好きってこと覚えておいて」



「でも…でも…、もしあたし…ユウキと付き合ったら、もう…いままでの、幼馴染みたいな仲よくできないかもしれないじゃん…」


「ど、どしたんだよ急に」


涙があふれてきた。
また、先生みたいにお別れするのはイヤ。


調子のいい男性恐怖症が憎い。
自分が憎い。
マミだって強がってはきた。
ほんとうは、ユウキより、弱くて小さいかもしれない。



こんなマミと付き合っても…
ユウキは幸せにはなれないでしょう?


もし、ユウキが彼氏じゃなかったら…
またいまのように、仲よくしてくれる保証はある…?


マミは…そうであってほしい。
マミは、わがままだから。


わがままな男性恐怖症だから。



「おい、なっ、泣くなよ、笑えよ!」


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