どうしようもなく好きです!
爽side


コンコンッ


「開いてますよー。」


「失礼しまぁーす。」


とのっそり入ってきたのは・・・・小学生?

「えーっと、君は・・・?」


見覚えのない女の子だ。
「初めまして!!私、隣の班の中原ゆうかです。早見君だよね・・・?」


あー、こいつか・・・。

数日前、真由梨と圭が

「ゆうかって何でアンナにかわいいのかねー!」


と騒いでたのを思い出した。

確かにかわいいな・・・。ジーっと俺の顔を見つめて返事を待っている。

大きい目がにこっと笑うとキレイに三日月になる。

「ああ。早見爽だよ。よろしくな。」と言って
右手を差し出す。


ちょっと驚いたようだがスグに俺の手を握り返す。

フッ、小さい手だな。

「で、俺になんか用?」

「ううん!!なーんもない。早見君にあったことないから会いたいなーっと思ったから・・・。迷惑だったかな・・・?」

背が低いから上目遣いっぽくなる中原。

「いや、全然。」

なんか癒されるな・・・。


俺の父親は有名な大手ブランドを立ち上げた。長男の俺は生まれたときから後継ぎに決まっている。

成績は常にトップを求められ、全国模試でも順位は5番以内でないと認めてもらえなかった。







勉強ばっかの高校生活。そう思ってた。



まさかこんな癒しに出会うとは・・・。


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