カセットテープ
第一章 響の再生【1】
公立川凪高校。広川市の中でも特に有数の進学校である。
最難関大学に現役合格者多数排出が謳い文句の学校。
その学校の中でも特に特異な存在な彼、各務響(かがみひびき)。
昨日は大切な友人の葬儀があり、渡されたカセットテープを聞き、夜更かしをしたため授業中に寝ていた。
「キョウ、起きなよ。いつまで寝てるのよ」
キョウ、これが彼のあだ名だ。
「ちょっと、起きてよ」
キョウの隣の席に座る女の子が教科書を立てて、そこから小さな声で呼び掛ける。教卓を背にした先生が黒板に字を書いているのをいいことに。
「うるさい」
善意で言った言葉をうるさいで片付けられた女の子の表情に変化があった。穏やかから怒に。
「ちょっとあんた、人が心配して言ってるのに何その態度!」
急に立ち上がり、バンッと両手で机をおもいっきり叩いた。授業中だと言うことを忘れて。
もともと静かだった教室がさらにシーンと気まずい雰囲気になる。教室中の視線が少女に集まる。
怒鳴った本人は顔を赤くして静かに座った。
怒鳴られた本人は何事もなかったかのように、また眠りにつく。
その後は何事もなく授業が進み、チャイムが鳴った。
鳴り終わるな否や教科書を素早く片付け、キョウの席まで来て一発叩く。
その衝撃でキョウは、億劫そうに身体から机を離した。
キョウは叩いた女の子を覚め切らない目で見る。
「あのなあ、いい加減わかれよ。俺が寝ようが寝まいが英里、お前に関係ないだろ」
見下ろすようにして見ている彼女、閖本英里(ゆりもとえり)をキョウはうんざりしたように見た。そして、疲れたようにため息をする。
「なんだよ、まだようがあるのか?」
何か言いたそう表情で見てくる英里に、キョウはめんどくさそうに聞く。
「一つだけ言わせてもらうわね。あなたの所為で私が怒りっぽく気性の荒い女の子だと思われてるわけなんだけど、どう責任とってくれるの?」
英里は、黙っていれば中々可愛らしい笑顔だが目は怒っていた。
それに臆することなく、むしろどうでもよそうな生返事をキョウはする。
最難関大学に現役合格者多数排出が謳い文句の学校。
その学校の中でも特に特異な存在な彼、各務響(かがみひびき)。
昨日は大切な友人の葬儀があり、渡されたカセットテープを聞き、夜更かしをしたため授業中に寝ていた。
「キョウ、起きなよ。いつまで寝てるのよ」
キョウ、これが彼のあだ名だ。
「ちょっと、起きてよ」
キョウの隣の席に座る女の子が教科書を立てて、そこから小さな声で呼び掛ける。教卓を背にした先生が黒板に字を書いているのをいいことに。
「うるさい」
善意で言った言葉をうるさいで片付けられた女の子の表情に変化があった。穏やかから怒に。
「ちょっとあんた、人が心配して言ってるのに何その態度!」
急に立ち上がり、バンッと両手で机をおもいっきり叩いた。授業中だと言うことを忘れて。
もともと静かだった教室がさらにシーンと気まずい雰囲気になる。教室中の視線が少女に集まる。
怒鳴った本人は顔を赤くして静かに座った。
怒鳴られた本人は何事もなかったかのように、また眠りにつく。
その後は何事もなく授業が進み、チャイムが鳴った。
鳴り終わるな否や教科書を素早く片付け、キョウの席まで来て一発叩く。
その衝撃でキョウは、億劫そうに身体から机を離した。
キョウは叩いた女の子を覚め切らない目で見る。
「あのなあ、いい加減わかれよ。俺が寝ようが寝まいが英里、お前に関係ないだろ」
見下ろすようにして見ている彼女、閖本英里(ゆりもとえり)をキョウはうんざりしたように見た。そして、疲れたようにため息をする。
「なんだよ、まだようがあるのか?」
何か言いたそう表情で見てくる英里に、キョウはめんどくさそうに聞く。
「一つだけ言わせてもらうわね。あなたの所為で私が怒りっぽく気性の荒い女の子だと思われてるわけなんだけど、どう責任とってくれるの?」
英里は、黙っていれば中々可愛らしい笑顔だが目は怒っていた。
それに臆することなく、むしろどうでもよそうな生返事をキョウはする。