‐Children‐



「君は……青柳昴だな?」

「はい」


先程の騒ぎにも動じず、丸い瞳で真っすぐに少女は天城を見た


「16歳で……能力は何なんだ?」


今は職員室にある個室で話をしていた
足に肘をついて天城は率直に疑問をぶつけてみた


「わかりません」

「は?」


淡々と少女は答えた


「流星学園の理事長に『君は間違いなくレストチルドレンだ』と言われて……勝手に転校させられたんです」

「するってぇと……つまりお前は……」

「私は世の中でいうレストチルドレンではないと思います」


天城は頭を抱える
意味がわからない


「でも、もう前の学校は辞めたことになっていて、此処にとりあえず来ました」

「……まぁ、そうするしかないわな」



少女はグラウンドでもそうだったように感情の薄い顔で天城を見返している


あんな状況に巻き込まれて冷静でいられるというのは凄い






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