‐Children‐



「昴もこういうの苦手?」

「はっはい……とても」



悲鳴さえ上げず桃香にしっかりとくっついている
かなり苦手なようだ


それは桃香自身も同じなため、昴に対する諸々の感情を忘れて昴に抱きついている訳だ


その時、恐いもの知らずに怪しい扉をバンバン開け放っていたレオが声を上げた


「おい!コレ見ろよ」


桃香と昴はビクリとするが、泰刃が興味深げにかけて行ってしまうので慌ててそれに続く

廊下を曲がった所に青ざめたレオと琉が立っていた


「なになに?」

「コレ……」


3人が指差された方を見て絶句する


「………帰りましょう!」


昴が珍しく叫んだ


廊下の壁には赤黒い液体の跡が飛び散っている


「コレって………血?」


さすがに泰刃が引きつった顔で言えば、突然冷たい風が吹いた
その拍子にバァンとどこかの扉が開く


「イヤーーーーーーー!!」





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