‐Children‐
「2才で流星学園に入ったんですよね?」
「そうだ」
「ご家族の方は?」
「……両親と妹が1人」
少しだけ答えに間があったが、昴は気にする余裕がなかった
「妹さん……きっと可愛いんでしょうね」
「会ったことはない」
えっ、と昴が問い返せば無感動に琉は続けた
「俺をここに預けて以来、両親は会いに来ていないんだ」
「………」
「気にする事はない。ここに居るほとんどの奴が家族とは関わりがないだけだ」
淡々と琉は言った
関心のない物言いが彼等とその家族がどういった関係か表していた
「……お前はどうなんだ?」
黙ってしまった昴を気遣ったのか琉は問い返した
琉の気持ちに感謝して、昴は家族の事を話しはじめる
「私は、兄弟がたくさんいます」
「何人兄弟なんだ?」
「32人です」
琉は昴の顔を見る
そこにはふざけてるのか?という疑問符がありありと浮かんでいる
フフっと小さく昴は笑った
「兄姉はもっといますよ。私は孤児院育ちなので」
「……孤児院?」
「はい。兄弟がたくさんいて騒がしい毎日でした」