‐Children‐



「弟が多くて、すごく手を焼きましたけど……楽しかった……です」


チラリと昴が琉の横顔を見上げると、琉はうっすらと微笑み「そうか」とだけ呟いた

キュッと、少し強めに昴は手を握った


「葛城君は……優しいですね」

「……はぁ!?」


少女はニコッと微笑んだ

その笑顔に一瞬見惚れたとは誰にも言えない



*******



「なんなのかしらこの研究所」

「誰か………いるよな」


桃香とレオは首をかしげた

桃香は早くここを出て行きたかったが、ある地下の部屋をレオが開くと、そこには人がいる形跡があった


「白衣に……何かよくわからない資料」

「コーヒーメーカー……まだ動いてる」


「さっきの声ってここに居る奴の声じゃないのか?」


レオが白衣を取り上げて検分する


「ならいいけど……幽霊よりマシね。こんな所にいる人がまともな人がどうかは置いといて」


一通り物色して2人は出口を探す
暫く行くと2人は琉と昴に出会った






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