‐Children‐



感知能力とは、自身が操る物質に対する感受性のことだ

風使いで言えば、風使いは風を操っているのではなく窒素、酸素、二酸化炭素のいずれかを操っているのだ


そういった物質が五感のように鋭敏になるレストチルドレンが稀にいるのだ

主に、風使いか水使いに多い


「全体の構造は大体把握しました。ここには皆さんとボク以外はいないと思います」

「てか、なんでお前ここにいるんだよ」

「……頼良さんが」


その言葉で皆、どういった経緯でクリスがここにいたのか理解する


「あの血糊も頼良の悪ふざけなんじゃないのか?」

「血糊って……」


クリスがキョトンと聞き返そうとした時、それは冗談でなく現れた

6人がいたのは階段を出てすぐの廊下
一つの部屋がギィと音をたてた
そして、ズルリと音を立てて白い衣をまとった何かがうなりをあげて廊下に出てきた


「ウゥォォオアアァ……」

《ギャーーーーーー!!》


全員叫んでその物体から全力で走り去った







< 107 / 145 >

この作品をシェア

pagetop