‐Children‐
完全に皆見てしまった
廊下を爆走しながらそれぞれ怒鳴りあう
「ななななな、なんだよあれ!??」
「知るか!あんなもの!」
「てかっ!クリス!感知したんならアイツのことわかっただろ!?」
「ボクの感知は風が届いた所までです」
扉など、風を遮るものは感知を妨げる
桃香と昴はただただ走っていた
恐怖で無心になっているのか、かなり早く走っている
そして突然、桃香の動きが止まる
「キャッ!」
「うわ!」
「なんだ!?」
そして次々と足を止めざるおえない状況に陥る
ザワリ、と全員の身体に小さな鉱物がまとわりついていた
「何してんだ?おまえら」
かけられた声に全員唖然とする
「「天城(先生)!?」」
天城はいつも通り気だるげにタバコを咥えて、片手に酒ビン、もう片方の手で何故か青柳を捕まえていた
襟を掴んで、まるで子猫の首根っこを摘みあげているようだ
「落ち着け青柳。立花!」
すると、今は使われていないはずの研究所に電気が通り、廊下は明るく照らされた