‐Children‐
「『ここ』の事故のことを思い出していてね」
生徒は研究所を出て寮に向かっていた
「恐かった」「信じられない」「紛らわしい」など、口々にいいながら歩いている
「あの頃とは時代が違う。あの子達は幸せだね。青柳昴も」
立花は言った
『事故で』死んだ人はいない
この場所で死んだ人がいないとは言っていない
「……余計な事はするな」
「わかってるさ」
掴み所のない笑みで立花は手を振った
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「どうなったかなー?」
梨乃の部屋のベッドでゴロゴロとしながら頼良は言った
椅子の上で体育座りをして読書していた
本に視線を落としたまま梨乃は答えた
「大騒ぎになってることは確かかなぁ。桃は怖がりでしょ?」
「フフフ、昴もよ」
「えー、意地悪だね」
「だって」
ニッコリと頼良は笑った
「何かイベントがあれば仲良くなりやすいでしょう?」