‐Children‐



ディックの疑問に昴は答えられない
言葉は正確に通じなくともその表情で何となく言いたいことは伝わった

しかし、昴自身、自分の能力がわかっていないのだからどうしようもない
わかっているのは、自分にはレストチルドレンの能力がきかないということだけだ


この現象はその作用なのか昴には判断しかねた

ゆえに、また口籠もってしまった


「えーと………」


《おい、何してる》


そこへ第三者が現れた
声をした方を見れば見知らぬ男性が立っていた

二十代後半ほどだろうか
くせのあるブラウンの髪に薄茶の瞳は少し不機嫌さを含んでいる

パッと見た感じならば爽やかなイケメンと言えるが、泣きぼくろを携えた目元の剣呑さで近寄りがたい何かがあった


《なんだその子は?》

《フォード先生……なんか俺達にも良くわからないんですよ……》

《はぁ?》


何事が話している彼らにただ黙っているしかない昴は、またまた現れた人物にポカンとしてしまった







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