‐Children‐



《モリソン、そこまでにしてちょうだい》


玲瓏とした声だ
何を話しているのか分からないが、その声は少しだけ憂いを含んでいた


《皆の前ではやめて》


美しい人だった
淡々と静かに言葉を紡ぐ口元には色香漂うほくろがあった

金髪碧眼の美女がモリソンという人に宥めるように寄り添う
モリソンは渋々といったように口をつぐんだ


《……メリッサ》

《久しぶりね、キョウスケ》


フワリと哀しげに微笑んで天城に声をかけるが、すぐに別れを告げる


《貴方の生徒にご迷惑かけてしまったわね。皆、戻りましょう。デュエルの前にこんな所で対戦者を囲んではダメよ》


メリッサ、と呼ばれた女性が声をかけると5人の少年少女達は返事をしてぞろぞろと帰って行った

アッサリと質問をやめて言うことを聞くあたり、メリッサという人は教師なのだろうか


《キョウスケ、またゆっくり話しましょう》

《あぁ》







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